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遺留分侵害額とは?遺言書で解決する方法と注意点

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遺留分侵害額とは?遺言書で解決する方法と注意点

遺留分侵害額とは?遺言書で解決する方法と注意点

2024/02/14

遺言書によって遺産分割を行う場合、遺留分侵害額に関する問題が生じることがあります。遺留分とは、一定の相続人について、被相続人が有していた財産の一定割合に相当する利益が保障された利益のことを指します。そして、遺留分を侵害するような遺言が存在した場合、遺留分を下回る財産しか受け取りない相続人が遺留分侵害額について主張をする事態となり得ます。この問題を回避するためには、遺言作成時に遺留分に配慮した内容とすることが必要です。今回は、遺留分侵害額の問題を避ける方法と注意点について解説します。

目次

    遺留分侵害額とは?

    相続の際に、亡くなった方の財産の分配方法に関して、遺留分侵害額という重要なポイントがあります。遺留分侵害額とは、前述のとおり、一定の相続人の中で遺留分として取得できる額が受け取れないような遺言が作成されていた場合に生じる問題です。すなわちそのような遺言は遺留分権利者の権利が侵害するものとなります。そういった遺言以外にも、遺留分侵害額が発生する原因として、例えば不動産や金融商品などの評価額が変動して計算がずれてしまった場合や、生前贈与を受けた相続人がいる場合に、その生前贈与を失念して分割が行われようとする場合などがあります。このようにして遺留分侵害額が発生した場合・しそうな場合は、それに対し適切な策を講じることが必要です。相続は故人の資産を受け継ぐ大切な機会です。遺産分割協議書の作成などでは専門家のアドバイスを受けながら、遺留分侵害額の発生を未然に防ぎ、遺族の皆さんが安心して相続処理を進められるようにしましょう。

    遺言と遺留分侵害額の関係

    先に述べたように遺留分侵害を発生させる最大のきっかけは遺言です。そこでまず疑問点として浮かぶのは、遺留分を侵害するような内容であっても遺言書としては有効かという点ですが、これについては有効です。つまり、法律上認められた「遺留分」を侵害するような内容の遺言(例えば遺言者において2人の子(長女・次女)が将来の相続人となりそうな場合に、長女だけに全財産をあたえるという遺言)を作成したとしても法律上は問題ありません。全く財産がもらえない立場となってしまった次女が、「もう長いこと親(遺言者)縁がないからそれでもいい」と言えば、遺言どおりの相続とすることができます。
    しかし、実際には、多くのケースで、全く財産をもらえないこととなった次女は遺留分侵害額請求を行使することとなり調停、訴訟といった紛争が始まるリスクも少なくありません。その場合、解決までの年月や弁護士費用、精神的負担も生じます。また、遺留分については、権利があるかないか不明というケースは少なく、多くの場合多少なりとも支払をせざるをえないでしょう。このような事情から、遺言作成の時点である程度、遺留分ことを見据えた対応が必要となるのです。

    遺言書の内容

    トラブルを回避する最善の策としては、遺留分の金額を具体的に試算し、すべての遺留分を持つ相続人に対して遺留分が確保された遺言を作成することです。遺留分さえ確保された内容の遺言であれば、紛争につながる確率は抑えられます。なお、遺留分の具体的金額の算定にはある程度の専門的知識が必要となります。インターネットなどでかなりの部分が調べられますが、ご不安な場合にはそれだけのご相談でも構いませんので当事務所にお問い合わせください。
    そのほかに、被相続人の生前に、相続人に遺留分を放棄してもらう方法もあります。被相続人がご存命の状態で相続人らと話し合いを行うことで、お互いの認識を共有したうえで遺留分の放棄を打診することで、紛争の予防につながります。もっとも、この話し合い自体がこじれてしまったり、遺言書の内容について相続人同士の関係性に亀裂が入ってはいけないので、この方法にも慎重な配慮が必要です。遺留分の放棄を打診する際には、それに見合うような生前贈与をすることも考えられます。
    また、よく言われることですが、遺言書によって禍根を残さないため、遺言書の中に、遺言者の意向を相続人らに伝える「付言事項」をも盛り込んでおくことも一案です。中には、その付言事項として遺留分請求額の主張を控えてほしいと書くこともあります。

    まとめ

    以上のように、遺言書の作成は、各相続人への配慮が必要です。遺言書によって親族間で紛争が始まることもありますし、それを避けるように工夫する方法もあります。いずれにしても心身ともお元気なうちに対策を始めることが、より行き届いた遺言書の作成につながりますので、方針で迷われている場合にはいつでもご相談ください。

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    取扱分野 : 相続問題 (遺産分割調停・遺留分侵害額請求・遺言書作成)
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