法律事務所 光琳

遺産分割には相続人全員の協力が必要

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遺産分割には相続人全員の協力が必要

遺産分割には相続人全員の協力が必要

2024/05/28

遺産分割を進める際によく問題となる点として、相続人の中に認知症の方、非協力的な方、行方不明者、未成年者がいる場合があります。遺産分割は相続人全員が協力して進める必要があるため、これらの方がいる場合にどのように進める必要があるかについてお伝えします。

目次

    ①認知症など認識能力が不十分な方がいる場合

    相続人の中に認知症などにより意思能力に問題がある方がいらっしゃる場合には、家庭裁判所に成年後見人等の選任申立てを行う必要があります。ただ、共同相続人が成年後見人に選任されてしまうと、その方は利益相反となるため、共同相続人ではない方が後見人となる必要があります。
    このことから、遺産分割協議に伴う成年後見制度の利用においては、近しい親族ではなく弁護士など専門職が成年後見人に選任されることが多いです。選任される弁護士は裁判所の推薦によることが一般的です。知り合いの弁護士を候補者として裁判所に伝えても、裁判所が無関係の弁護士を選任するケースが一般的です。

    ②協力してもらえない場合

    相続人に連絡をしてみたけれど反応がない場合や、連絡はつくけれども遺産分割に協力してもらえないケースもあります。
    とりわけ生前疎遠だった親族や一度も会ったことがない親族は、連絡に反応してもらえない場合があります。この場合もやはり遺産分割協議に進むことができません。そして、手紙や電話などでの手段に全く反応がない場合には、家庭裁判所において遺産分割調停を行う必要が生じます。
    遺産分割調停を申し立てても、やはり相続人が裁判所に来ないことはありますが、この場合には、裁判所が遺産分割審判によって分割方法を指定することとなり、分割を進めることが可能になります。

    ③行方不明者がいる場合

    場合によっては、相続人に連絡がつかないにとどまらず、その相続人が生きているかどうかすら不明な場合もあります。この場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらい、行方不明者の財産を管理してもらう方法があります (失踪宣告という制度を用いる場合もあります。)。

    ④未成年者がいる場合

    未成年者は単独で法律行為を行うことができません。そこで、法定代理人 (親権者や未成年後見人)が未成年者を代理します。しかし、親権者と未成年者が共同相続人となる場合には、利益相反となるため特別代理人の選任申立てが必要となります。また、この特別代理人の権限内容は、家庭裁判所の審判において定められた行為に限られますので、あらかじめ遺産分割の話合いの内容を決めておき、権限内容を明確化しておくことが必要です。

    まとめ

    このように相続人の中に何かしらの懸念点がある場合、いずれも最終的には家庭裁判所の手続きを通じてその点をクリアにしてから遺産分割を進める必要があります。
    遺産分割自体には特定の期限はないものの、相続税の申告期限や、相続登記の期限はあります。特に相続税申告の期限は、基本的に死亡の日から10カ月以内とされていますので、こういった家庭裁判所の手続きに手間取っているとあっという間に期限が来てしまいます。したがって、相続人となる方の中に上述の懸念点がある場合には、速やかに行動を起こすべきといえます。
    また、中には、隠し子であったり、縁戚の方など思いもよらない人物が相続人として発見されることもあります。そのような場合も、手続きが後手後手に回ることが生じがちですので、判明した場合にはすぐさま専門家に相談しながら手続きを進めることが望ましいです。

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