相続土地国庫帰属制度
2024/04/26
土地を相続したものの、利用方法がなく、手放したいと考える方が増加しています。また、手放すにしても買い手が見つからないため、そのまま放置状態となり、管理されてない土地も相当数に上ります。
こういった土地の増加を抑えるため、相続により所有権を取得した方が、一定の手順のもと、国に帰属させる制度が新設されました。これが相続土地国庫帰属制度です。
目次
申請できる人
対象となるのは、あくまで相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人です。ただし、相続した土地が他の方と共有である場合には、他の共有者全員とともに申請する必要があります(その土地の相続した持分だけを国庫に帰属させることはできません。)。
申請できる土地
いろいろと問題のある土地ほど手放したいと思うところですが、どのような土地でも国庫帰属が可能なわけではありません。具体的には、以下のような土地は申請できません。
- 建物がある土地
- 担保権などが設定されている土地
- 他人が利用する予定のある土地
- 土壌汚染された土地
- 境界が明らかでない土地
これらのほかにも、崖があって管理費用がかさむ土地、樹木などにより管理できない土地、など、管理しにくい土地も引き取ってもらえません。
このように、申請可能な土地は限られますので、相続時に上記の問題がある場合には、ご自身においてその問題を取り除いたうえで申請を考える必要があります。
申請費用は
まず、一筆あたりの審査費用は14,000円とされています。
次に、国庫帰属が認められた場合の負担金があります。概ねどのような土地についても最低額は20万程度であり面積が広い土地は100万円を超すこともあります。
詳しくは法務省の解説をご確認ください。
まとめ
以上のとおり、手放すとしても容易ではありません。
令和6年3月31日時点において、令和5年4月からの約1年間での申請件数は1905件のようです (参照)。
まだ始まったばかりの制度ですが、どなたも関係する立場になる可能性があります。
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法律事務所 光琳
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