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<title>コラム</title>
<link>https://lawkorin.jp/column/</link>
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<title>遺留分侵害額請求の完全ガイド：計算方法と時効をわかりやすく解説</title>
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遺産相続の現場で避けて通れないテーマの一つが、遺留分侵害額請求です。本記事は、基礎知識から計算の実務、時効や手続きの流れ、さらには実務で役立つポイントまでを包括的に解説します。まず遺留分侵害請求とは何かを整理し、適用範囲や基本用語を明確にします。次に、財産評価の考え方や計算式の基本構造をお伝えし、時効の点や、請求手続きの手順についても解説するので、相続トラブルを抱える方に実務的な道筋が見えてきます。さらに、弁護士へ依頼する判断基準や争点になりやすい点の事前準備、よくある質問と回答を網羅。この記事を読むことで、遺留分侵害額請求の全体像を把握し、適切な時期に、適切な内容で請求を進める概要が把握できます。遺留分侵害額請求は、相続人の権利を保護するための法的手段です。遺産分割において、相続人の法定相続分を侵害する行為があった場合、侵害された分を取り戻すために請求を行います。具体的には、遺産の分配が遺留分を下回る場合に、他の相続人や第三者が受け取った遺産の一部を取り戻し、法定相続分に近づくよう是正を求める手続きです。遺留分は民法により定められており、配偶者・子ども・親などの相続人が対象となります。遺産分割協議での合意が不十分な場合でも、遺留分侵害が認定されれば、請求を通じて適正な分配を取り戻せます。遺留分侵害額請求とは、相続人の遺留分を侵害した遺産分割の結果について、侵害された分を取り戻すための法的請求です。具体的には、相続開始から一定期間内に、侵害された遺留分の額を確定させ、その金額を加算・減額して原状回復を図るというものです。請求自体は相続人間の話し合いで解決できる場合も多いですが、合意が成立しない場合には家庭裁判所を通じた調停・審判、あるいは民事訴訟へと進むことになります。重要なのは、遺留分がもともと誰にどの程度与えられるべきかという「法定の最低限の権利」であり、それを侵害する遺産分割は適法性を欠くと判断される点です。この請求は、侵害を主張する側と侵害したとされる側との間で、具体的な財産評価・算定の過程を経て行われます。遺留分の有無・額は相続人の関係性・法定相続分・特定の財産の種類によって変わるため、個別の事案ごとに評価が必要です。遺留分侵害額請求は、相続人の権利保護を図る重要な制度であり、公正な分割の実現に寄与します。基本用語として「遺留分」は、被相続人の財産のうち、特定の相続人が法的に最低限確保すべき取り分を指します。遺留分侵害額請求は、この遺留分を侵害した遺産分割に対して、侵害された分を取り戻す請求です。個別事案における具体的な適用は、相続人の続柄・人数・遺産の種類（現金・不動産・株式など）によって異なります。主に以下のケースで適用されます。法定相続人間の遺産分割で、遺留分が実際の分割額を下回っている場合生前贈与の影響を受けた場合でも、遺留分の維持・回復が必要と判断される場合相続開始後の時点で、遺産の評価が複雑な財産や負債を含む場合また、遺留分には「各相続人が享受すべき最低限の取り分」という性質があり、配偶者と子ども、または直系尊属などの組み合わせによって遺留分の割合は変動します。適用範囲を正しく把握するには、相続人の構成と財産の総額、そして特定の財産の評価方法を整理することが不可欠です。具体的な事例や法改正の動向によって若干の違いが生じることもあるため、最新の法改正情報や専門家の見解を確認することが重要です。遺留分侵害額の計算は、相続開始時点での財産の総額から、法定相続分を基礎にして侵害された部分を算出し、実際に受け取れる遺留分を侵害分として評価する作業です。計算の骨格は「財産の総額→相続人ごとの遺留分割合→侵害額の特定」という流れに沿います。現実のケースでは、現金・不動産・株式など多様な財産が混在し、評価時点の価格変動や債務の存在、特定財産の分割方法によって数値が変動します。ここでは、基本構造と実務で押さえるべきポイントを整理します。遺留分侵害額の計算は大まかに次の式で表されます。侵害額＝侵害された遺留分の額－既に被害者が取得している分（または代償分）1)侵害された遺留分の額の算定-総財産価値の把握：相続開始時点の時価評価が基本です。現金・預貯金・不動産・有価証券・債権・動産などを時価で評価します。-相続人の法定相続分と遺留分割合の適用：各相続人の法定相続分に法定の遺留分割合を掛け、遺留分の総額を算出します。例：長男の場合の遺留分は法定相続分に応じて、他の相続人と調整します。2)既払い・代償の控除-被相続人から相続人へ生前贈与や生前の財産分割で既に得ている額、または裁判所が認める代償額を控除します。3)侵害額の確定-実際に侵害された金額を上記の「侵害された遺留分の額」から「既に受け取った分」を差し引いた額が侵害額です。侵害額が複数の相続人に及ぶ場合、各相続人ごとに算定します。4)最終的な請求額の調整-相続人全体の分配と、被侵害者の取り分の算定、さらには裁判外の和解・妥結による調整を経ることがあります。税金や手数料、遅延損害金の扱いも事案次第で重要です。計算の要点は、総財産の適正な評価と、各相続人の遺留分割合の正確な適用、そして過去の給付や代償の適切な控除です。複雑な財産が絡む場合は、専門家の評価が欠かせません。遺留分侵害額請求の権利には、法律で定められた時効期間が存在します。この期間を過ぎると権利を主張できなくなるため、起算点（カウントが始まる時点）と期間を正確に理解することが極めて重要です。時効には、主に以下の2つの期間があります。遺留分侵害の事実を知った時から1年間遺留分を持つ相続人が、「相続の開始（被相続人の死亡）」と「自分の遺留分を侵害する贈与や遺贈があったこと」の両方を知った時が起算点となります。この時点から1年以内に、相手方に対して請求の意思表示（内容証明郵便の送付など）を行う必要があります。これは比較的短い期間であるため、特に注意が必要です。相続が開始した時から10年間遺留分を侵害する事実を知っていたかどうかにかかわらず、相続が開始した時（被相続人の死亡時）から10年が経過すると、権利は一律で消滅します。たとえ相続人が遺留分侵害の事実を全く知らなかったとしても、10年が経過すれば請求することはできなくなります。これらの期間は、どちらか早い方が到来した時点で時効が成立し、遺留分侵害額請求権は消滅します。請求の基本的な流れは、事案の性質に応じて「準備段階→公式な請求→法的手続き」という三段階で進みます。以下は、一般的な実務の流れです。事実関係と証拠の整理：遺留分侵害の事実、侵害額の算定根拠、相手方の資産状況、時効の起算点となる事実を整理します。契約書、通帳、相続関係資料、遺言書の有無などを収集します。内容証明等による通知（任意の段階）：相手方に対して遺留分侵害の事実と請求額、支払期限を明示した通知を送付します。未払いの場合の法的措置の可能性も併せて伝え、和解の余地を探ります。弁護士への依頼検討：複雑な算定や相続関係、相手方の反論への対応を円滑にするため、専門家の関与を検討します。依頼の有無は、請求の複雑性と自らの対応力を踏まえて判断します。調停・訴訟の準備・提起：和解が成立しない場合、調停申し立てまたは訴訟提起に移行します。証拠の組み立て、主張立証の準備、証人の確保などを行います。和解・確定判決の取得：和解案による解決、あるいは判決・確定後の支払いや分割払いの手続きへと進みます。相手方の支払状況を確認し、回収方法を検討します。実務上は、時効の管理と請求のタイミングが極めて重要です。時効の中断を狙って適切な通知を送るタイミング、訴訟提起の適切な時期、そして相手方の反論に対する準備を事前に整えることで、権利の実効性を高めます。遺留分侵害額請求は事実関係の複雑さのある難易度が高い案件です。自己判断だけで結論を出さず、専門家の助言を求めるべきタイミングを以下の観点で判断します。相手方の主張が複雑で、遺留分の算定方法や財産の評価が専門的と感じる場合事実関係が複数箇所にまたがり、時系列の整理が難しい場合争点が明確でなく、どの証拠をどの順序で提出すべきか不明確な場合感情的対立が強く、和解の可能性を探るべき局面で、法的手続きと並行して交渉戦略が必要と判断される場合財産規模が大きい、あるいは相続人間の地位が不均衡で、分割案の作成と交渉力の強化が求められる場合依頼を決める際には、初回相談時の情報提供の充実度と、弁護士の専門性・経験（相続・遺留分・家族法の実務経験、裁判例の取り扱い実績、費用感）を比較検討することが大切です。費用感については、着手金・成功報酬の有無、解決形態（示談・調停・裁判）ごとの総費用見積もりを事前に確認しましょう。実務を進めるうえで頻出する質問と、それに対する実務的な回答をまとめました。ケースバイケースの判断はあるものの、全体の判断の指針として役立ちます。Q:依頼前に自分で準備しておくべき資料は何ですか？A:相続財産の一覧、時価が分かる資料、生前贈与の証拠、相手方の主張書面（あれば）、相続開始日から現在までの重要な取引記録、遺言の有無。Q:争点が多い場合、まず何から着手しますか？A:事実関係の整理と財産評価の初期算定を優先します。次に法律適用の検討、証拠の収集・整理、相手方との交渉戦略を段階的に組みます。Q:和解を目指すべきですか？裁判を選ぶべきですか？A:相手方の態度次第で和解の余地はあります。財産規模や証拠の確度、時間的コストを考慮し、初期段階で和解の可能性を探るのが現実的です。著しい不公平がある場合や交渉が難しい場合は裁判も視野に入れます。Q:費用はどの程度かかりますか？A:着手金・報酬金、日体裁判費用、証拠収集費用、通信費用などが発生します。ケースの難易度・期間が影響します。初回相談で概算を確認しましょう。Q:相手方が海外在住の場合はどうなりますか？A:国際的な財産の所在や海外送金の履歴が争点になる場合、現地法務の専門家との連携が必要になることがあります。国際要素は手続きが複雑化するため、早期の専門家相談を推奨します。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20250815102339/</link>
<pubDate>Fri, 15 Aug 2025 12:06:00 +0900</pubDate>
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<title>特別受益の主張に関する期間制限</title>
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<![CDATA[
特別受益とは、共同相続人の中に被相続人から一定の生前贈与を受けた方がいた場合に、相続の際、その贈与のな金額を考慮する制度です。簡単にいえば、既にある程度贈与を受けた方については、遺産分割ではその点を考慮しましょう、という仕組みです。
これまでは、相続開始から長期間が経った時点でも特別受益に関する主張することに制限はありませんでしたが、近時この点につき法改正がなされましたのでお伝えいたします。目次遺産分割において重要な概念の一つである特別受益とは、故人が生前に特定の相続人に対して行った贈与や支援のことを指します。この特別受益が存在する場合、それを考慮しないと遺産分割が公平でなくなる可能性があります。たとえば、兄弟姉妹のうちの一人だけが故人から大きな金額の贈与を受けていた場合、他の兄弟姉妹はその分を踏まえた遺産分割を希望することがあるでしょう。これについての定めが特別受益の制度です。まずは、この特別受益という制度がどのように影響するかをお伝えします。
以下の事例をご覧ください。相続発生時の財産：3000万円
相続人：被相続人の子供(長男、長女、二女)
特別受益：生前、長男に600万円の贈与というケースがあったとします。相続発生時の財産は3000万円ですが、特別受益の主張がなされると(*)、生前の贈与も含めて遺産全体を考えることになります(これを「みなし相続財産額」)といいます。みなし相続財産額：3000万円＋600万円＝3600万円*ちなみにどなたも特別受益の主張をされなければ(生前贈与を聞かされておらず特別受益が主張できると気が付かないケース含む)、通常どおり3等分による分割がなされることが多いでしょう。次に、このみなし相続財産を法定相続分の1/3ずつに分けます。各相続人の取得額：3600万円×1/3＝1200万円1人あたりの取得額は1200万円ですが、長男については既に受け取っている特別受益を減算します。長男の取得額：1200万円－600万円＝600万円以上の計算により、特別受益を考慮した場合、相続発生時の財産3000万円は次のとおり分割されます。長男600万円、長女1200万円、二女1200万円改正法では、次のとおり相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割に、原則として特別受益の規定が適用されないこととなりました(なお寄与分の規定も同様です。)。904条の3前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。
※「前三条」の中に特別受益の規定があります。特別受益の規定が適用されなくなるということは、相続開始から10年経過後は、相続人は、各相続人の法定相続分を前提に遺産分割を行うこととなります。上記の例でいうと、600万円の生前贈与の件については考慮されず、相続開始時における3000万円の財産につき、長男、長女、二女がそれぞれ1000万円を取得することになります。この事例からもお分かりいただけるとおり、この法改正は事案によっては非常に大きな影響をもたらすものです。もっとも、被相続人が亡くなられてから10年以上放置した場合にこの時間制限の問題が生じるだけですので、相続開始後にすぐ対応を始めていれば、この時間制限の問題には全く関係ありません。
問題となるケースとして考えられるのは、例えば、ある夫婦に長男・二男がいた場合において、夫が亡くなった際には特に相続手続きをせず事実上妻が財産をそのまま引き継ぐ形で10年以上が経過し、その後、妻の相続が発生した場合に、二男が「長男だけは父から生前贈与を受けていた」という主張をしたとしても、時間の経過によりもはや主張できない可能性があるというケースです。以上のとおり、法改正がなされたことにより、いままでであれば特別受益が請求できた場面でできなくなる可能性が生じています。
もっとも現時点(2024年9月27日)では、法改正直後の猶予措置として10年以上前の特別受益について主張が可能です。特別受益についての主張を考えている方で、相続発生からかなり時間が経っている場合には、早めに弁護士にご相談ください。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240912082040/</link>
<pubDate>Thu, 12 Sep 2024 08:20:00 +0900</pubDate>
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<title>相続放棄後における不動産管理責任</title>
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<![CDATA[
多額の債務や利用価値の乏しい不動産を多く残された方の相続が発生した場合、これらの負の遺産を相続しないために相続放棄という選択肢がよく用いられています。しかし、この相続放棄に関してしばしば問題となってきたのが、遺産に含まれる不動産を放置していいのかどうか、という問題です。
これまでは、すべての相続人が相続放棄をし、誰も不動産に手出しできず関係者が困る事態が生じた場合、相続放棄をした相続人らにプレッシャーがかかり、やむなく費用をかけて相続財産管理人（現：相続財産清算人）を選ぶ対応をとることもありました。
今回はこの問題に関して、近年行われた法改正も踏まえつつお伝えいたします。目次相続放棄をした方の責任について、従来の民法940条1項は次のように定めていました。「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」簡単にいえば、たとえ相続放棄手続きを取った方であっても財産管理（不動産管理）をすべき可能性が残るという内容です。これまではこの条文があったことで、相続放棄をされた方でも他に相続人が見当たらないケースでは、遺産に含まれる負の不動産について管理していかないといけないのか、という不安が付きまとっていました。また実際に、相続放棄をしたにもかかわらず50万円～100万円の費用を投じて相続財産管理人（現：相続財産清算人）を選び、不動産の処分を行う事案もありました。この条文について令和5年4月1日に法改正が施行され、いまは次のようになっています。「相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。」では、この法改正によりどう変わったのでしょうか。これまでの条文はやや曖昧なところがあり、先述したように「せっかく相続放棄をしたのに管理は続けなければいけないのか」という問題が発生していました。この点に関し、法務省も「法定相続人の全員が相続の放棄をし、次順位の相続人が存在しない場合や、相続放棄者が相続財産を占有していない場合等において、相続放棄者が管理継続義務を負うかどうかや、その義務の内容は、必ずしも明らかではな」かったとしています（『財産管理制度の見直し（相続の放棄をした者の義務）』）。そこにメスを入れたのが今回の法改正です。法改正がなされたことにより、現在の法律では相続放棄をした方のうち一定の場合にだけ責任を負うこととなりました。具体的には相続財産に属する財産を現に占有する者が相続の放棄をする場合に限り、管理責任を認めることとしたのです。つまり、その不動産と全く無関係に過ごしてきた相続人であれば、相続放棄後はその不動産について責任を負う心配がなくなったということです。このように法改正はなされましたが、一定の場合には相続放棄をした方でも責任が伴います。次に、その内容についてお伝えします。
まずは、責任を負うかどうかの大きな分水嶺である「現に占有」という条件ですが、その不動産に住んでいればもちろん「現に占有」しているという条件を満たしますが、それ以外でも、「対象の家屋に占有者自身の家財や荷物等を保管している場合や、対象となる家屋の鍵を保有している場合には、占有者に当たる可能性があります」とされています（国土交通省『相続放棄者の空き家の管理責任の考え方について（情報提供）』）。
このように、相続放棄をしたとしても、その不動産を物置にしていたり鍵を預かっていたりした場合には責任を負うことになるのです。このように、法改正がなされたことにより、相続放棄後に不動産管理に責任を負うかどうかはある程度明確になりました。
もし、将来的にどなたかの遺産につき相続放棄を考えている場合には、とりわけ、その相手が不動産を保有している場合には、その不動産に自分の所有物を置くことや、頼まれて鍵を預かることには慎重にならなければなりません。さもなければ、単に好意で鍵を預かっていただけでも相続放棄後の責任の有無が変わってしまうのです。お伝えしたように、法改正がなされたことにより、相続放棄をした方が遺産の管理に責任を負うかどうかはかなり明確になっています。もし、相続放棄をしたのちに亡くなったかたの近隣住民や関係者から遺産の管理を求められた場合には、ここでお伝えしたことを踏まえて対応をご検討ください。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240905075439/</link>
<pubDate>Thu, 05 Sep 2024 07:54:00 +0900</pubDate>
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<title>遺言無効紛争と相続税申告</title>
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<![CDATA[
遺言の有効性が争われ、訴訟に発展することがあります。この場合、訴訟が長引けば1年、2年あるいはそれ以上の期間を要することもあります。その一方で、相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
このように遺言がどう扱われるか不透明な状況において、相続税申告はどのようにすればよいでしょうか。目次遺言の効力が争われていて未決着の状況において相続税申告をする場合、大きく分けて二つの申告方法があります。一つ目は遺言書に沿った分割がなされたとして相続税申告をする方法です。そして、もう一つは分割ができていないとして未分割であるとして申告する方法です。
どちらの方法を選ぶかにあたっては、いくつか検討すべきポイントがあります。仮に遺言の無効を主張している立場であった場合、相続税申告に際して、遺言を前提とすることには心理的抵抗があるでしょう。遺言の無効を主張している立場ということは、おそらく遺言書によって不利な扱いを受けている立場ということですから、納税額としては遺言書に沿った内容の方がおそらく納税額として少ない額になるというメリットはありそうです。しかし、裁判で争っている以上、相手方から「相続税申告で遺言書に沿った内容で申告しているじゃないか。事実上遺言書の内容を追認しているようなものだ」と言われたくないという心理は働くでしょう。実際の遺言無効の争いにおいては、相続税申告の方法だけで結論が決まるということはないですが、少しでも弱気な姿勢は示したくないという思いは当然です。上記のような心理面から、遺産分割は未了であるという未分割での相続税申告を選ぶことも考えられます。この場合にもデメリットはあります。それは、実際には何らの財産も受け取れていない状況において相続税申告を行うことになるため、納税負担だけを最初に負う必要があるという点です。具体的には、相続財産を各相続人が民法に規定する相続分(法定相続分)の割合に従って財産を取得したものと仮定して相続税の計算を行い、申告と納税をすることになります。
これは、遺言無効の紛争に限らず、遺産分割調停や審判が長引いている際にも同様に起こりうる事態ですが、いずれにしても、納税負担だけが先行することは資金準備等大きな負担となります。紛争の両当事者が税理士をどのように選ぶのかも問題です。その点だけは互いに譲歩し共通の税理士を選任できればいいかもしれませんが、紛争継続中に同一の税理士に情報提供をすることは、紛争自体に影響しないか不安になります。その懸念から互いに別々の税理士に依頼し申告をすることもあり得ますが、この場合には、申告内容がばらばらとなり、将来の税務調査につながらないのか気になります。また、単純に税理士費用が2名分となり税理士費用も軽視できないなど悩ましい問題です。相続税の納税資金の点に触れましたが、これについては、遺言無効の紛争が続いている状況においても、相続人同士の合意さえ得られれば、遺産から相続税の支払いを進めるめることも可能です。
もっとも将来的に、相続税申告とは違う分割内容にて遺言無効の紛争が決着した場合、先行的に税金支払いに充てた遺産資金が、適切に還付されるかには配慮する必要があります。以上のとおり、遺言の有効性を争っている場合、相続税の支払いがどうなるか、間に合うのか、といった点については慎重に配慮する必要があります。早め早めに税理士や弁護士に相談して、相続税における軽減特例が使えなくなったり、延滞税、無申告加算税といったペナルティを被らないようにしたいところです。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240725133007/</link>
<pubDate>Thu, 25 Jul 2024 13:30:00 +0900</pubDate>
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<item>
<title>遺産分割には相続人全員の協力が必要</title>
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<![CDATA[
遺産分割を進める際によく問題となる点として、相続人の中に認知症の方、非協力的な方、行方不明者、未成年者がいる場合があります。遺産分割は相続人全員が協力して進める必要があるため、これらの方がいる場合にどのように進める必要があるかについてお伝えします。目次相続人の中に認知症などにより意思能力に問題がある方がいらっしゃる場合には、家庭裁判所に成年後見人等の選任申立てを行う必要があります。ただ、共同相続人が成年後見人に選任されてしまうと、その方は利益相反となるため、共同相続人ではない方が後見人となる必要があります。
このことから、遺産分割協議に伴う成年後見制度の利用においては、近しい親族ではなく弁護士など専門職が成年後見人に選任されることが多いです。選任される弁護士は裁判所の推薦によることが一般的です。知り合いの弁護士を候補者として裁判所に伝えても、裁判所が無関係の弁護士を選任するケースが一般的です。相続人に連絡をしてみたけれど反応がない場合や、連絡はつくけれども遺産分割に協力してもらえないケースもあります。
とりわけ生前疎遠だった親族や一度も会ったことがない親族は、連絡に反応してもらえない場合があります。この場合もやはり遺産分割協議に進むことができません。そして、手紙や電話などでの手段に全く反応がない場合には、家庭裁判所において遺産分割調停を行う必要が生じます。
遺産分割調停を申し立てても、やはり相続人が裁判所に来ないことはありますが、この場合には、裁判所が遺産分割審判によって分割方法を指定することとなり、分割を進めることが可能になります。場合によっては、相続人に連絡がつかないにとどまらず、その相続人が生きているかどうかすら不明な場合もあります。この場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらい、行方不明者の財産を管理してもらう方法があります(失踪宣告という制度を用いる場合もあります。)。未成年者は単独で法律行為を行うことができません。そこで、法定代理人(親権者や未成年後見人)が未成年者を代理します。しかし、親権者と未成年者が共同相続人となる場合には、利益相反となるため特別代理人の選任申立てが必要となります。また、この特別代理人の権限内容は、家庭裁判所の審判において定められた行為に限られますので、あらかじめ遺産分割の話合いの内容を決めておき、権限内容を明確化しておくことが必要です。このように相続人の中に何かしらの懸念点がある場合、いずれも最終的には家庭裁判所の手続きを通じてその点をクリアにしてから遺産分割を進める必要があります。
遺産分割自体には特定の期限はないものの、相続税の申告期限や、相続登記の期限はあります。特に相続税申告の期限は、基本的に死亡の日から１０カ月以内とされていますので、こういった家庭裁判所の手続きに手間取っているとあっという間に期限が来てしまいます。したがって、相続人となる方の中に上述の懸念点がある場合には、速やかに行動を起こすべきといえます。
また、中には、隠し子であったり、縁戚の方など思いもよらない人物が相続人として発見されることもあります。そのような場合も、手続きが後手後手に回ることが生じがちですので、判明した場合にはすぐさま専門家に相談しながら手続きを進めることが望ましいです。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240528131133/</link>
<pubDate>Tue, 28 May 2024 13:11:00 +0900</pubDate>
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<title>預金の使い込みについて (2)</title>
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<![CDATA[
預金の使い込みについては以前もお伝えしました(参照)。今回は、これを裁判所で争う際の手続きについてお伝えします。
通常の遺産分割は、家庭裁判所の遺産分割調停が用いられているため、使い込みを遺産の中に戻すように要求する場合も、直感的にはこの遺産分割調停で話し合うのかなと考えてもおかしくありません。しかし、実際には遺産分割調停で話ができる場合もあるものの、そうでない場合があります。目次預金の使い込みについて遺産分割調停で話し合いができる場合は、使い込みの主張内容に関して相続人間に争いがない場合です。
具体的には、使い込んだとされる相続人がその事実を認め、使い込んだ金銭を遺産に含めて分割を進めることに応じている場合です。しかし、これは経験上では、どちらかというと少ないケースかと思われます。前述の合意ができない場合、不当利得返還請求訴訟（または損害賠償請求訴訟）を行う必要があります。地方裁判所(または簡易裁判所)で行われ、遺産分割調停が行われる家庭裁判所は別となります。例えば、名古屋ですと、名古屋家庭裁判所と名古屋地方裁判所は同じ名古屋市中区丸の内にあるものの、担当する裁判官も異なり、それぞれ一から手続きを進める必要があります。
結果的に遺産分割調停と訴訟が並行して行われる必要がありますが、訴訟の結果がわからない場合には、先行して調停を進めても、使い込みの対象となる財産を遺産に含まれるか不透明なままですので、遺産の分配をどうするのかを決めることが事実上困難になります。
このため、訴訟の結論が出るのを待って遺産分割調停を進めるケースが大半です。このように訴訟と調停を両方行わなければならないことは、相続人にとっては負担となります。しかし、生前の使い込みについては、亡くなる前にすでに、現預金が被相続人の財産から使い込んだとされる人の手元に移っているため、遺産とは別物として、訴訟をするしか方法がないのが現状です。例外は、前述のとおり、使い込んだとされた人が、その使い込みの指摘を受け入れ、遺産に含めて分割を行うことを認める場合に限られます。訴訟においては、典型的には以下のような点が争点となります。１．実際に預金を引き出したか否か使い込みを指摘された側は、「その預金引き出しはしておらず、被相続人が引き出したのだろう」と反論することがよくあります。この場合、本当にその相続人が預金を引き出したかどうかが争点となります。２．被相続人のためにお金を使ったかどうか使い込みを指摘された人物が引き出した事実は確認できた場合にも、次なる反論として「被相続人から現金引き出しの依頼を受けて引き出し、被相続人の入居施設への支払いに充てただけだ」という反論があり得ます。
これが事実である場合、被相続人が自らの預金を自らのために使うことを手助けしただけですので、不当利得返還は認められないこととなります。３．贈与契約の主張その他の反論として、引き出しはしたが、これは被相続人から贈与されたのだ、という反論もあり得ます。これが事実であると認められれば、不当利得返還請求訴訟としては認められないこととなりますが、遺産分割調停において特別受益の問題にシフトします。このように使い込みの問題は、遺産分割調停とは別に、民事訴訟を行う必要があるため、裁判の負担は大きくなる傾向にあります。しかし、適切な裁判活動を経ることで、被相続人に無断で行われた使い込みの財産を遺産を含め適切に遺産分割を行うことができるケースも多々あります。相続人の遺産について不審な点を発見した場合には、どういった対応が可能かを検討したうえで、遺産分割に進むことが望ましいといえます。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240502085159/</link>
<pubDate>Thu, 02 May 2024 08:51:00 +0900</pubDate>
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<title>相続土地国庫帰属制度</title>
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<![CDATA[
土地を相続したものの、利用方法がなく、手放したいと考える方が増加しています。また、手放すにしても買い手が見つからないため、そのまま放置状態となり、管理されてない土地も相当数に上ります。
こういった土地の増加を抑えるため、相続により所有権を取得した方が、一定の手順のもと、国に帰属させる制度が新設されました。これが相続土地国庫帰属制度です。目次対象となるのは、あくまで相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人です。ただし、相続した土地が他の方と共有である場合には、他の共有者全員とともに申請する必要があります（その土地の相続した持分だけを国庫に帰属させることはできません。）。いろいろと問題のある土地ほど手放したいと思うところですが、どのような土地でも国庫帰属が可能なわけではありません。具体的には、以下のような土地は申請できません。建物がある土地担保権などが設定されている土地他人が利用する予定のある土地土壌汚染された土地境界が明らかでない土地これらのほかにも、崖があって管理費用がかさむ土地、樹木などにより管理できない土地、など、管理しにくい土地も引き取ってもらえません。
このように、申請可能な土地は限られますので、相続時に上記の問題がある場合には、ご自身においてその問題を取り除いたうえで申請を考える必要があります。まず、一筆あたりの審査費用は14,000円とされています。
次に、国庫帰属が認められた場合の負担金があります。概ねどのような土地についても最低額は20万程度であり面積が広い土地は100万円を超すこともあります。
詳しくは法務省の解説をご確認ください。以上のとおり、手放すとしても容易ではありません。
令和6年3月31日時点において、令和5年4月からの約1年間での申請件数は1905件のようです(参照)。まだ始まったばかりの制度ですが、どなたも関係する立場になる可能性があります。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240426163705/</link>
<pubDate>Fri, 26 Apr 2024 16:37:00 +0900</pubDate>
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<title>遺言書の重要性について</title>
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相続の際には、これまで特に問題はなかった親族関係にひびが入ることがあり、最悪の場合には親族関係が断絶するようなことも起こります。相続対策では相続税対策など金銭的な観点も大切ですが、円満な人間関係の継続という観点からも、相続対策をないがしろにすることはリスクがあります。
こういった相続の際の争い（いわゆる「争族」となること）を防止して、争いなく遺産を引き継ぐために、最重要ともいえるのが「遺言書」です。目次第一に、遺言書は亡くなった方の明確な意思表示となります。すなわち分割する財産の持ち主ご本人が「このように分けてください」と書面に残して意向を示しているので、残された相続人としても、心情的に受け入れやすく、また異論を挟みにくいものとなります。第二に、遺言書により財産の行き先が明示されます。もちろん、遺言書がない場合でも、法律により法定相続分に沿った配分がなされます。しかし、これだけですと、不動産を誰が取得するのかといったことで争いになる場合がありますし、他にも生前贈与の問題や、寄与分の問題で紛争が発生することがあります。
なお、遺言書を書くことにより遺留分の問題もありますが、そのことを見据えた遺言書の内容とすることで一定程度紛争を回避できます。このように、争いなく相続手続きを進めるために重要な役割を担う遺言書ですが、実際に遺言書を作成している方は、全体の数％にとどまります(参考)。
これにはいくつかの理由が考えられますが、まだまだ十分に活用されておらず、紛争化していしまうことが見受けられるのが実態です。多少意識するだけで防げる紛争もありますので、遺言書の活用がより一般的になることが望まれます。もちろん全ての方が遺言書を作成する必要があるわけではありません。
債務の方が多い場合、プラス財産があるものの限られた額である場合、相続人が一人しかおらず争いが生じる可能性がない場合、などは遺言書を作成しなくても大きな問題とはならないことが多いでしょう。
しかし、以下のような場合は、遺言書を作成すべきかどうか、一度は検討すべきでしょう。相続人のうち特定の人だけが介護や身辺ケアを行っている相続人の中に全く疎遠になっている人がいる財産が自宅とわずかな貯金のみである家族経営の会社がある財産を引き継がせるべき親族がいない先祖名義の不動産がある(相続登記義務化の観点からも問題あり)遺言書は、相続に関する重要な文書です。しかし、手続きが正しく行われていなかったり、内容に誤解があった場合、思わぬトラブルが発生することもあります。そのため、遺言書を作成する際には注意が必要ます。
現時点では、「公正証書遺言」か「自筆証書遺言書保管制度」による遺言書作成をお勧めしております。
どういったことに注意すべきか、どういった方法がふさわしいのか、判断に迷われることもあるかと思いますので、いつでもご相談ください。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240417085220/</link>
<pubDate>Wed, 17 Apr 2024 08:52:00 +0900</pubDate>
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<title>相続の際の限定承認について</title>
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<![CDATA[
相続が発生した際には相続放棄という選択肢を意識しなければならないケースがあります。
典型例は被相続人に多額の借金があった場合です。相続は、相続人は亡くなった方のプラスの財産もマイナスの財産もすべて承継しますので、被相続人が生前に多額の借金を負っていた場合、相続人がその負債も引き継ぐことになります。
それを避けるためには相続放棄という手続きが必要ですが、この相続放棄には原則として３カ月という期限がありますので気を付けなければいけません。さて、被相続人に明らかに多額の借金があることがわかっていれば、この相続放棄を選択すればそれで足ります。しかし、「プラスの財産もそれなりあるようだから、トータルしたらプラスの方が多いかもしれない」という場合や、「生前、交流がなかったから、そもそも財産状況がわからない」といった場合はどうしたらいいでしょうか。相続人として財産を調査することもできますが、いざ「相続放棄をしなければ」と気づいたときに先述の原則３カ月というシビアな期間に間に合わなくなるということも起こり得ます。そのような場合に一つの選択肢として知っておくべき方法が「限定承認」という方法です。実はこの方法、あまり使われていませんが、その理由も含めて解説します。目次相続する際の選択肢としては、単純承認、限定承認、相続放棄の三種類があります。「単純承認」は一般的な相続のことで、財産も負債も何もかも承継することになります。最後の「相続放棄」は対照的に一切何も引き継がないということです。「限定承認」はこれらの中間の方法で、相続によって得た財産の限度で被相続人の債務を弁済することになります。言い換えると、亡くなった方の負債について相続財産中のプラス財産を上限として責任を負うというものです。限定承認のメリットは、亡くなった方の財産状況の収支（プラスが多いのかマイナスが多いのか）がわからないときや、そもそもまったく情報がないときでも、遺産のプラス部分を引き継ぐ可能性を残すことができるという点です。デメリットとしては、この限定承認という方法は、①裁判所での手続きが必要で、簡単ではないこと（なお、裁判所の手続きが必要なのは相続放棄も同様です。）、②結果的にマイナス財産が多いことがわかれば、限定承認の裁判手続きを取ったとしても何も手元に残らないこと、③相続人共同でする必要があること、などがあげられます。直近の司法統計によれば、相続放棄は27万件以上の件数があるようですが、限定承認はわずか775件程度で、利用状況には非常に大きな差があります。このようにあまり限定承認が使われない理由としては、上述したデメリット①～③が大きいかと思われます。また、単純承認・限定承認・相続放棄のどれを選ぶべきか迷う場合には、検討期間の延長制度もあるため、亡くなった方の財産状況が不透明であっても、じっくり３カ月以上の時間をかけ精査し、プラス・マイナスのどちらが見極めてから単純承認か相続放棄を選ぶこともできます。このため、敢えて中間的な限定承認を選ぶ方が少ないと思われます。このように、あまり使われていない限定承認ですが、敢えて選ぶケースは以下のようなものがあげられます。まずは、相続人が相続財産の内容を把握できないため限定承認を選択する場合です。特に自宅といった残していきたい財産が明らかになっている場合（その一方で、負債が巨額であった場合にすべてを引き継ぐのは避けたい場合）には、相続放棄ではなく限定承認を検討することが必要となります。
また、プラス財産であれマイナス財産であれ、財産について訴訟が行われているときにも限定承認を検討することがあります。すなわち、その訴訟の結果次第で財産全体がプラスになるか債務超過になるか不透明な場合です。その他にも被相続人と疎遠にしていたので、思わぬ債務が出てくるかもしれないということを心配して、限定承認を申し立てる場合もあります。このようにあまり知られていない、かつ、あまり使われていない限定承認制度ですが、場合によっては有効な対処方法となることがありますので、頭の片隅に置いておいて損のない制度です。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240411184321/</link>
<pubDate>Thu, 11 Apr 2024 18:43:00 +0900</pubDate>
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<title>預貯金の使い込みについて</title>
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<![CDATA[
遺産分割の方法を検討する際に頻繁に問題となるのが、生前に故人の預貯金が不自然に目減りしているケースです。中には1000万円以上の預貯金が減っているケースもあります。
もちろん、施設入居費用や医療費など被相続人にとって必要な出費はあります。しかし、そういった理由では説明のつかない規模の現金が使われている場合、状況を知らない相続人としては、故人と身近だった相続人が使っていないかを疑うこともやむをないことでしょう。今回は、この俗にいう「使い込み」の問題について解説します。目次故人の預貯金の使い込みに関しては、大きく分ければ、生前（相続前）の使い込みと、死後（相続後）の使い込みがありますが、より大きな問題となるのは生前の使い込みです。これは、生前の使い込みの方が気づかれにくく、また長期にわたる使い込みも生じやすいためです。
中には被相続人から面倒を見てくれた親族に実際に贈与をしたケースもあるでしょうが、これについても贈与をしたという証拠がなければ、「使い込みではないか」と疑われて親族間での争いの火種になってしまいます。預貯金を有する被相続人は、ご高齢になるにつれ、体力・気力が低下し、自立して生活することが難しくなる方や施設に入所する方がいらっしゃいます。この場合、預貯金の管理については身近な親族に委ねるケースも数多くあります。その際、被相続人の意思に沿って適切な管理がなされれば問題ありません。
しかし、中にはキャッシュカードを預かっている親族が「もしものときのために、現金化して保管しておく必要がある」といって、次々と預金を引き出すケースがあります(典型例としては、連日ATM上限の50万円を引き出すパターンが挙げられます。)。
一方の被相続人は、施設に入所していたりお金のことには無頓着で、そのような事態すら知らないまま亡くなってしまう場合が多いです。
そして、その後の遺産分割において、その引き出された現金についても適切に分割の対象とされれば問題ありませんが、管理していた相続人がその引き出した現金は除いて遺産分割をしようとした場合が問題となります。実際にこういったケースはかなり多く見られます。他の相続人としては、被相続人の対応を任せていた立場もあり、そういったお金の使い込みに踏み込めないことも多いでしょう。そのような場合にまずなすべきは被相続人の預貯金履歴の調査です。
相続人の立場で金融機関に行けば、直近１０年の取引履歴の開示を受けることができ、そこで不自然な預貯金の引き出しがあるかどうかを確認することができます。親族間の信頼関係や立場もありますので、いきなり「通帳や履歴を見せてください」とは言いにくいと思われますので、まずは水面下で金融機関に調査するのが、穏当な手段としていいでしょう。調査により不自然なお金の動きが見つかったとしても、それが必ずしも使い込みに該当するわけではありません。被相続人が自分のためにお金を使うことは自由ですし、その使い道の一環として、身近な世話をしてくれた親族に贈与することも自由です。
一方で、被相続人が把握していないうちに、金銭管理をしている親族が勝手にお金を引き出してしまうことは不適切な使い込みに該当するでしょう。
こういった場合に、お金の使い道や行き先が被相続人の意思に沿っているかどうかが証拠によって争われることになるのです。たとえば、施設に支払った領収書や、介護用のリフォーム費用の領収書があれば、それは被相続人の意図に沿った支出だったと判断されやすいですが、なにも証拠がなければ、被相続人の知らないところで使い込まれた、と扱われることも生じます。不審なお金の動きが見つかった場合、そのことを協議する方法として、大きく分けると裁判所を使う方法と使わない方法があります。親族間のことですのでいきなり裁判所を使うことは気が引けるでしょうし、実際に、裁判所を使わずに解決するケースもありますので、最初の手段としては、裁判所を介さず様子をうかがうことも可能です。
しかし、そこでの話し合いが決裂した場合には、家庭裁判所での調停や、地方裁判所での訴訟といった手段も検討する必要があります。このような使い込み問題は親族間において深刻な対立となることがあります。中には、それまで何の問題もなく親戚付き合いをしていた兄弟姉妹が、これを機に関係が断絶してしまうことすら起こります。
それを避けるためにできることの一つは、被相続人が生前に遺言などでお金の行き先を明らかにしておくことです。それをせず、身近な親族にキャッシュカードなどを預けてしまうと、上述のような不透明な点が残り、紛争が発生することにつながります。多くの場合は、その危険性にすら知らず、漠然と「自分の子だから任せれば安心」と考えた結果、取り返しがつかないくらいに親族関係が悪化することが生じるのです。
もちろん、これは「言うは易し、行うは難し」であり、いまでも遺言の話をすることは、被相続人からも相続人からもハードルが高いものであり、後回しになりがちです。しかし、このハードルを乗り越え、死後まで見据えた財産計画を進めることが、親族関係の悪化の可能性を低下させる有効策となります。
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<link>https://lawkorin.jp/column/detail/20240403170550/</link>
<pubDate>Wed, 03 Apr 2024 17:05:00 +0900</pubDate>
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